Playgrounds In Motion 2023 盛況のうちに閉幕、今なお反響続々

イベント 2023年11月7日

Playgrounds In Motion は、9 月から 10 月にかけてロンドンロッテルダムで開催された新しいアニメーションとモーションデザインの祭典です。主要スポンサーとしてイベントを後援した Procreate は、この祭典が特別なものを発表するのにふさわしい場になると考えました。当社の発表内容をまだご存じない方は、こちらをご覧ください。

ロンドンでこの祭典の開幕を迎えたとき、9 月にしては珍しく爽やかな天候に恵まれ、素晴らしい滑り出しとなりました。祭典の多くのイベントが活気を帯び、大きな賑わいを見せていました。

ロンドン In Motion の観客

畏敬の念と友好的な仲間意識を同時に感じさせる類稀な空気に包まれた、In Motion の会場。気の合う仲間たちの憩いの場であり、優れた才能が集結しぶつかり合う場でもあるといった印象でした。心躍らせながら詰めかけた人々にとって一番の魅力は、アニメーション、モーションデザイン、キャラクターデザイン、コンセプトアート、イラストレーションの各分野で活躍する世界有数のアーティストの話が聴けること。そのそうそうたるラインアップには、Aaron Blaise 氏、Anna Ginsburg 氏、Patrick O’Keefe 氏、Animade 社、FX Goby 氏、Andrew Gordon 氏など、業界のレジェンドが数多く名を連ねていました。

(クレジット: Jochem de Vet)

今回の祭典の特筆すべき功績は、映画『 Spider-Man: Across the Spider-verse 』を手掛けたプロダクションデザイナーの登壇を実現させたことでしょう。わずか数か月前に封切られ、数々の革新的技術と魅力的なストーリーの両面で観客だけでなく批評家にも衝撃を与えた同作。その高評価を背景に、画期的なアニメーションの完成秘話を聞こうと多くの観客が押し寄せました。そこで、Patrick O’Keefe 氏は、グラフィティアート分野での経歴から映画・アニメーションの世界に足を踏み入れた経緯まで、多岐にわたるトークで自身の経験を掘り下げてくれました。

プロダクションデザイナー Patrick O'Keefe (クレジット: Patrick Gunning)

ポートフォリオのレビューやパネルディスカッションに加えて、本祭典ではさまざまな体験型イベントも開催。Procreate は、ロンドンのアウターネット地区にある NOW Trending ビルで行われた 4 つの Procreate Dreams ワークショップに 30 台の iPad を持ち込みました。優秀なイラストレータとして知られる Michael Relth 氏、Danni Fisher-Shin 氏、Lisa Bardot 氏、および Nikolai Lockertsten 氏によるこのワークショップは、一般の人々が初めて Procreate Dreams を体験する機会となり、私たちはその反応から大いに刺激を受けました。それぞれの iPad の周りには人だかりができ、中には 2 時間以上滞在して使い方を楽しんで学ぶ熱心な人もいるほどでした。

イラストレーターの Danni Fisher-Shin 氏は、Procrete の 4 つの実践的なワークショップのうちの 1 つを運営しています。 (クレジット: Patrick Gunning)

人々の興奮が手に取るようにわかった、と Lisa Bardot 氏は言います。「そのような瞬間に立ち会えて、とても光栄です。幅広い層に新たな形の創造性をもたらすでしょう。その場に立って、私が制作した動画やアニメーションを紹介しながらデモを行ったとき、そして後からも、皆さんが口々に『自分にもできそう。ぜひやってみたい』と言ってくださいました」

In Motion ロッテルダム の Maassilo 会場(クレジット:Willeke Machiels)

一方、ロッテルダムでの祭典は、穀物保管施設を再利用した産業用催事場である Maassilo で 10 月 5 日から 6 日にかけて行われました。ロッテルダム版 Playgrounds In Motion は、We Are Playground の人気フェスティバル「BLEND」から発展したもので、視覚に訴えるストーリーテリングや、アバンギャルドな創作活動、最先端メディアに、アーティストの総合的な祝祭といったテーマを引き継いでいます。

In Motion ロッテルダムの観客 (クレジット: Willeke Maciels)

インスピレーションをかき立てる講演者の顔ぶれには、Daniels 氏 (『Everything Everywhere All At Once』)、Julia Pott 氏 (『Adventure Time』、『Summer Camp Island』)、Kirsten Lepore 氏 (『Marcel the Shell with Shoes On』)、そしてロンドンでのイベント後に再び合流した Patrick O’Keefe 氏などが見られました。

(クレジット: Jochem de Vet)

すべての祭典が終了し、Playgrounds のディレクター Leon van Rooij 氏はこう振り返りました。『新しい祭典が二つの街で行われ,そして互いに完売。映画や映像の制作者が Playgrounds を通して、一緒に成長してくれたことをとてもうれしく思います。彼らの多くは当初活動を始めたときから私たちのステージにいて、数年後に戻ってきた時には有名になっています。それに加えどのアーティストも観客に対してオープンで親しみやすい立ち振る舞いを見せています。それが成功の一つの理由でしょう。私たちは文字通り、クリエイターの成長と旅をしてきました。今年初めてだったことは非常に繊細なテーマをステージ上から観客と直接共有されたことです。」

デジタルとスクリーンの世界で生きるこの業界の特徴として、私たちはしばしば作業に没頭するあまり、人々が生活し、呼吸し、感嘆の声を頻繁に上げる現実の機会をおろそかにしてしまいます。Playgrounds In Motion は、コミュニティとして一体となることでインスピレーションと支援を提供し合う魅力的な機会をもたらす祭典です。成長の場となる Playgrounds が 2024 年にはどのような趣向を凝らしてくれるのか、今から楽しみです。

Playgrounds の詳細については、主催者の ウェブサイトをご覧ください。また 、Procreate の YouTube チャンネルで Procreate Dreams 発表時の基調講演もぜひご視聴ください。

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